迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
「同い年?」
「いや、1コ上。」
「綺麗な人、なんだってね?」
「え?うーん…確かに“綺麗”だけど、中身はだいぶ違うよ。
どっか抜けてるし、なんか危なっかしいし……どっちかっていうと“可愛い”タイプ?
……って、誰に聞いたの?あ、悟だな?」
曖昧に頷く私。
私の質問にいちいち律儀に答えてくれるコウちゃん。
ずっと笑顔だし……
その表情や口調から、彼女のことが本当に好きなんだな、って思い知らされる。
「……っていうか、なんでそんなこと聞きたがるの?」
不思議そうに私を見る。
「もしかして…「さっき」
言いかけたコウちゃんを遮るように、私は口を開いた。
「寝言で彼女の名前を呼んでたから」