迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*
込み上げてくる想いを必死に抑えながら、私はようやく口を開いた。
「コウちゃんは、彼女いるんだよね?」
何が聞きたいんだろう?私は。
自分でもよくわからなかった。
ただ、さっきの…コウちゃんの口から出た“名前”の意味を確かめたいんだと思う。
「え…?うん、いるよ」
突然の質問に一瞬戸惑いつつも、
コウちゃんは照れもせずに平然と答えた。
ズキッと胸が痛んだ。
「ずっとつき合ってるの?」
「うん。中学のときからだから…もう4年、かな?」
「へぇ……」
感心したように頷きつつも、私の笑顔はひきつっていたと思う。
でも、やめられなかった。