迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*上*




航くんは、お母さんとふたり暮らし。


そのお母さんは、大きな病院の看護師さんで、夜勤だなんだで家にいないことのほうが多い。


だから私は、こうしてしょちゅう入り浸っている。


もちろん、私とのつき合いは公認してくれている。


航くんが最初にちゃんと紹介してくれたから。


おばさんはさっぱりしたタイプの人で、私が泊まろうが勝手に台所を使おうが、何も言わない。


むしろ、料理なんて作ったらものすごく喜ばれる。


好かれているかどうかはわからないけど、嫌われてはいないみたい。



だから、その厚意にすっかり甘えてしまっている私。


自分の家よりもここに帰ることのほうが多いかもしれない。



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