この恋が終わる瞬間を
「それは俺の役目じゃないからなぁ…」

ハルキは苦笑する。

俺は意味も分からず、その顔をじっと見た。

「…どうして? 俺達、今まで二人でさやかを支えてきたじゃん」


六月の日差しは、じりじりと暑い。

歩く俺達の横を、自転車がしゃーっと音を立てて追い越していく。


ハルキは前を見据えて。

「…守ってやりたい奴がいるんだよ」

今まで見たこともないような顔をした。


「…さやかよりも?」

「そうだな」

「でも、じゃあ…」

お前のことを好きなさやかは、どうするんだ?

(聞けない)

(聞けるわけがない)


…そう言えば、初めてこいつと恋愛の話をしたな。
< 17 / 59 >

この作品をシェア

pagetop