君だけしか映らない
荒川の言葉や表情に過剰な程に反応してしまう。



自分でもわかってるけど、かなり重症だ。




「ねぇ…佐伯くんは将来やりたいこととか決まってる?」



「え?いや、今のところ特にコレと言ってやりたいことなんてねーよ。」



「そっかぁ。でも佐伯くんならなんでもできそうだね。勉強もできるし。」



「それを言うなら、荒川だってそうだろ?オレはてっきりお前は進学するのかと思ってたけど?」




「え………」



途端に荒川の表情が曇った。



(オレなんか気に障るようなこと言ったか…?)




「これ以上…親に迷惑かけるわけにいかないから…」


親に迷惑……?


確かに高校だって親のおかげで通えてる。



今こうやって暮らして行けるのも親のおかげだ。



だけど…なんだか荒川の言葉はやけに重く感じた。



「確かにそうだけど…。だいたいお前、親に迷惑なんてかけてるように全く見えないけど?」




「……いや、きっと迷惑かけてると思う。」



「…?」



「だから就職して自立しようと思ったの…。」



そう言うと荒川はハッとしたように口をつぐんだ。



「わ、私の話は別にどうでもいいの!!」



焦った荒川の様子に少しだけ疑問を感じた。



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