君だけしか映らない
「佐伯くん…いいの?」



荒川が心配そうに尋ねてきた。



「私がいて迷惑なら帰るけど…?」



「はぁ!?んなわけねーだろっ!!」



荒川の言葉についカッとなって怒鳴ってしまった。



「そ、そんなに怒らなくてもいいでしょ!?私は気を遣って…」



「気なんか遣うな。そんなことで気なんて遣わなくていい。」



今こうやって荒川と一緒にいれることの方がオレにとっては何より大事だ。



「…そもそも芸能界なんて興味ねーよ。」




「ホントに…?佐伯くん…もしかしてこういうこと初めてじゃないの?」



「え…?まぁ…。」



スカウトなんて今に始まったことじゃない。
自慢じゃないが、結構何回もされている。



「私、スカウトされる人初めて見た!!やっぱり佐伯くんってすごいね。」



荒川は少し興奮ぎみに話した。



「そうか?オレにしてみれば迷惑な話だけどな。」



「ほら、私には一生無縁のことだからさ。スカウトの現場が見れてテンション上がっちゃった!」



妙にウキウキしている荒川の姿に内心ホッとした。



< 245 / 261 >

この作品をシェア

pagetop