君だけしか映らない
「ちょ、ちょっと待って!!」


思わず笑美は叫んだ。

なんだか佐伯悠哉と町田さんのやり取りを見てたら気持ちが押さえきれなくなっていた。



「佐伯くん…!!そんな言い方ないんじゃないの?」



「は?」


佐伯悠哉の冷たい視線が笑美に向けられる。



(うっ……コワイ)


とっさに出た言葉は、もうもとに戻ることはなく…。

後先を考えずに叫んでしまったので、後に続く言葉が出てこない。


佐伯悠哉に睨まれながら笑美は黙り込んでしまった。



「………ったく。」



―グイッ。


「わっ!!ちょっと!!」



「帰るぞ。」


佐伯悠哉は強引に笑美の腕を掴んで歩き出した。




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