君だけしか映らない


―――…私は何をしているんだろう。



あれから佐伯悠哉たちは、まっすぐ帰らずにゲーセンに来ていた。



笑美の存在などまるで無視するかのように楽しむキラキラ集団。


佐伯悠哉のカバンを持っているため、笑美はしょうがなくゲーセンの中には入ったけれど、キラキラ集団と一緒に遊ぶなんて考えられない。

自動販売機の側にあるベンチに座ってゲーセンの中を見渡していた。



楽しそうに遊ぶ女子高生。プリクラを撮っているカップル。


(普通はこうやって遊んでいるんだ…。)


普段ほとんどがバイトの笑美は周りの女子高生たちを見てぼんやりとそんなことを思った。



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