積もる思い、真実の愛。


――ああ、コイツはやっぱり無理だ。



“のぞみ”というフレーズですぐ思い浮かぶのは、“望未”の漢字で。


アホを見ていても思い浮かぶのは、小さな頃からアホだった“望未”。


どうやってもこの子といると、その度にアホが浮かび上がってくる。



やばいぞ俺の思考回路。なに考えてんだよマジで…。




「――のぞみ。別れよ?」


「えっ…、な、なに急に!?」


「やっぱムリだ。悪い、帰るわ…」


ベッドの下に落ちていたシャツを手にして、それを着ながら呆気ない幕切れへ向かう。


「なんでぇ!?」


すると突然叫んだ彼女が、怒り任せに俺の腹めがけてクッションを投げて来たが。



インカレのフットサルでキーパーをする俺は、それを容易く受け止めてしまった。


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