天使の悪魔
「見惚れちゃった…?」
男の人はニヤッと笑って私の頬に手を伸ばした。
私はその行動に反応できてなくて、
半拍子遅れて、『見惚れちゃった?』に答えを出した。
「はい…?」
見惚れる?
何ソレ?
私は頭にハテナを浮かばせて首を傾げた。
男の人は目を細めて私を見て、またその視線を私の手元へとやった。
そして、彼の手は私の頬辺りで寸止めして、私の手元を指した。
「…?」
状況が掴めなくて、困る。
「…あんた、タバコ吸うの?」
なわけないじゃん!
って心の中でつっこんでみる。
そして、目を自分の手にやった。
!!!
そ、そうだっ!!
何しに来たのか分かったっ!
「いやいやいやいや、ちっ、違いますっ!!これはさっき拾ったんです!!私が吸ってるわけではありません!!」
超焦って、噛みながら言った。
そんな私を見て、彼はくくっと笑った。