天使の悪魔



「むきになんのがますますあやしいし。」

「ぅ…違いますよぉ…」


私じゃないのに…

本当に違うのに…


「…分かったから。泣くなよ。」


私は、疑わられると何故か悔しくなって泣いてしまう。

ほら、今もそうだ。

この人に疑わられて、涙がポロポロ落ちてしまう。


そんな私に、目の前の男の人は手をさし伸びて涙を拭ってくれた。


「ぅ…すいません…」


何がなんだかもう分からなくて、もう一度謝っといた。


「っは!!」

そうだ、私何してるんだ!!!

私は急にひらめいたように目を見開く。


「な、なんだよ?!」

そんな私に、彼はビビッて手を私の顔からバッとはなした。


私は勢いよく、彼の目の前に拾ったタバコをやった。



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