恋愛温度、上昇中!
どこに向かうのか分からない車はただ沈黙を乗せて走り続ける。
車内にはスローテンポの洋楽が流れていて、揺れが心地いい。空腹なのを除けば居心地の悪くない場所に妙な気分になる。
「眠いな」
関谷は気怠そうに小さな言葉を漏らした。
…大体、会社終わりに拉致だなんてタイミング考えろよ。いや、どっちにしても大人しく隣に座るあたしが変だ。
あたしのそんな思いを見透かす様な黒い瞳が居心地悪い。
関谷の雰囲気は変わらないのに温度の高い車内がそれを狂わせる。