恋愛温度、上昇中!
「設計士」
「へぇ」
意外。
「似合わない」
「悪いな」
片手で器用に運転しながら関谷が首を疲れたように左右に曲げる。
会話の引き出しが少ない。関谷もお喋りな男じゃないし、あたしは勿論だ。結局、続かない会話を広げるでもなく沈黙は穏やかに続いた。
そういえば、
「関谷、」
「ん?」
昼間の、あの交差点にいたのは関谷だったのか。
聞こうとして言葉を呑む。
聞いた所で、確認した所で、どうしたいんだろ。確かにあれが関谷なら腕を絡ませた女性が隣にいて、
あたしはそれを知ってどうするのか。
関谷に、女が一人や二人いたっておかしくないじゃない。
なのに、決定的な言葉に出ない、あたしはどうかしてしまったのか。