恋愛温度、上昇中!
誰か、なんて聞かなくてもわかる。その呼び方をするは一人しかいないから。
「…彰俊?」
多分、少し、緊張した。
『うん。今大丈夫?』
分かっているけど、やっぱり彰俊だ、なんて思う。
「どうしたの?」
携帯かけてくるなんて高校時代も含めて初めて。むしろ番号も知らなかった。知ったのは卒業式。それも、今更、みたいな流れで。
『良かった。番号変わってなくて』
見えない彰俊が笑うのがわかる。
『紗織ちゃん、会おーよ』
――彰俊はまるで、あの頃みたいに。
『紗織ちゃん、帰ろーよ』
そう言って犬みたいについてきた彰俊を思い出す。
だから、あたしは、
「うん」
何故か、迷いもせず、その意味も考えもせず頷いた。