恋愛温度、上昇中!
それを合図にグラスを飲み干す。ピッチが早くなっているのは自分でも分かるけど仕方ない。浮かされては落ちるような感情の波に落ち着かない。
「さっきも説明したでしょう?知り合いです。ただの」
ゴトンとグラスを置いて、苛立つ瞳で山都さんを見るけど、この人は愉しくてたまらないかの様に目を細める。
「高見ちゃんには聞いてないよ」
そうサラリと言うと山都さんは関谷に視線を移した。
「……別に。彼女の言った通りですよ。何か問題でもありますか」
関谷の声は何の起伏もない無愛想なテノールで、薄暗い店内に響いた様な気がしたのはあたしの気のせいなのか。あたしは、どうしても関谷の顔を見れなかった。