恋愛温度、上昇中!
「待たせた?」
間を置かず、やっぱり柔らかい優しい声が近付いてやっと顔を上げる。あの日以来、山都さんに会うのは初めてで少し気まずい気分なのは仕方ないけど、気にしたってそれこそ仕方ないし。
「いえ、お疲れ様です」
気の利いた言葉が特に出る訳もなく、あたしはまるで機械的に山都さんに頭を下げた。
「相変わらずだねー、その仏頂面」
山都さんは気にした様子もなく、また、あの人の良さそうな綺麗な笑顔を向けた。