恋愛温度、上昇中!
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次の日、二日酔いになる事もなく、出勤時間より前には会社に着く。

あたしを迎えたのは、


「おはよーございますぅ」

鼻にかかる甘い声。


艶やかに巻かれた栗色の髪はいつも通り何かの香水の匂いと共に揺れる。

「おはよう、早いわね、小倉さん」


純粋に珍しい。と思ったけどいちいち口に出さない。この年齢と見かけと位置になってくるとただの嫌みにしか聞こえないだろうから。


「はいー、仕上げたい仕事残ってたんですぅ」


小倉さんはあたしの様子なんか全く気にしないで、フェミニンに笑った。

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