恋愛温度、上昇中!

最後に恋人いたのは、三年前。

偶然会社に営業にきたその人は、高校までの幼馴染で、流れるように付き合った。

勿論私も世の女性の一般的な例に漏れず『結婚願望』だってあるし、それなりに幸せな家庭を築ける筈。平凡でいい。多くは望まない。深く愛する、なんて漫画の中だけの話だと冷静に思っていた。


別れは突然に。


『好きな子出来たから』

彼の口から出た言葉は明解で、アリガチで、思ったより動揺しなかった。

『おまえと付き合っても面白くない』

言い切った彼は、正直に気持ちを伝えてくれた分真摯だったのかもしれない。

『おまえ、何考えてるかわからない』


それを分かろうとするのが『恋人』じゃないの?

私の言葉に


『おまえは正しいよ。…いつまでたってもそんなんだろうな』


彼の苛ついた笑い方に何も言えなくなった。

『おまえさ、次があるならもっと可愛くなった方がいいぞ。いろいろ』

幼馴染という気安さからか、それとも他の意図があったのか、彼は笑って私の肩をポンと叩いた。

それで終わり。今どーしてるかさえ知らない。気にもならない。
だけど、この一連の会話は私の心に柵をつけてしまって、それから男はいらないと余計突っぱねるようになった。

可愛くなれない、私が悪いのだ。恋愛に重きを置けなかったから、駄目になった。
分かったから、もう、いい。

過去の話。


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