恋愛温度、上昇中!

頭を下げる私に、

「何言ってんの?」

社長は睫毛をバザバサさせてきょとんとした顔をした。

「え?」

「ぼんやりしてないで、後2枚、こんな感じでイきなさい。」


社長はにっこり笑った。グロスに濡られた唇が、綺麗な婉曲を描く。


「は、はぁ」


良かった、の?


「何だか、前進した感じ。好きな男でもできたかしら?」

社長は見透かすような視線を送る。


「ま、どんどんヤっちゃいなさい」


私は、微笑んだ社長の言葉のイントネーションの卑猥さに、理解が数秒遅れて、ただ、ぽかんとしただけ。


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