私たちの関係。
私たちの関係。
「おーい、美沙~学校行くぞー!」

玄関の外から寛樹の声が聞こえる。

あぁ…学校かぁ…と、だるそうに靴をはく私。

「ほら!美沙さっさと行きなさい!」

背中を叩いて急かすお母さん。

「わかったわよぉ…いってきまーす。」






私は高校1年生。
寛樹と奏は兄弟。
奏は高校2年生。
寛樹は高校1年生、同い年。
近所の寛樹と奏と一緒に登下校している。

小学校、中学校、9年間続いたこの習慣は
今更辞められるわけもなく毎朝向かいに来てくれる。

(あ、でもやめようと思えば辞められるかも…そうだよな~…。)




「美沙!危ない!!!」



ドーンッッ!!

奏が言った瞬間電柱にぶつかる私。


うっ…!


イ…イタイ…。

おでこを手で押さえながらその場にしゃがみこむ。

「だから言ったのにー。」

呆れ気味に言う奏。

言うのおそいっつーの!

「アッハハハハ!!!!お前はまったくアホだし馬鹿だなあ~!」

「ッ…!ひ…寛樹には言われたくないッッ!」


「アハハ…!学校着いたら保健室行けよなー。」

笑いながらも心配してくれる奏♪
さすがやっさしー♪

それに比べて寛樹は馬鹿だのアホだの…。
まったく失礼しちゃうッッ!!








< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop