少年少女リアル
 光を帯びた空が、僕等を包み込むように広がっている。
厭味なくらい気持ちの良い空で。

まるで映画のワンシーンみたいだった。


彼女は一度振り向き僕を確認すると、フェンス間際にあるベンチに座った。

優しさと言えばいいのか、隙と言えばいいのか。
僕が座れるようにだろうか、彼女は決して広くはないベンチを詰めて腰掛けていた。

けれども、僕は隣りに座る事なく、重苦しい口を開いた。いや、開かねばならなかった。

「昨日はごめん」

彼女はピクリとも動かない。
またしても、彼女がどんな表情をしているのか、分からない。後ろにいる自分を悔やんだ。

「謝って済む事じゃないって分かってるけど、謝る事しか、思い浮かばなくて」

頭で言葉を選びながら話す僕は、驚くほど冷静だった。

「本当に、ごめん」

本当、と小さく繰り返す声が聞こえた。

「……本当、狡いよ。謝るなんて」

彼女の声も、僕に負けないくらい落ち着いている。

「責められなくなっちゃうじゃない」

彼女の後ろ姿は、まだ遠くを見つめているようだった。
ふわりと黒髪が靡き、僕の頬に生温い風が触れていった。

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