鏡水

函館にて

また客間に戻るとそこには蟹やら鱈やら入った石狩鍋が用意されていた

「おいしそうですね」「まあ、早く召し上がってください」男は箸に手をつけた、

鍋の中では蟹が真っ赤になって怒っている

「なんか蟹食べてると無口になりますね」「ふふ」

そうこうするうちに腹も満腹になって、男は鍋を平らげた

「また僕は雑誌の編集の続きをしたいのですが」「ええ」

また奥の書斎に戻っていった

夜分、9時は回っただろうか・・・・・・・・・・・・・要約男は雑誌の仕事の編集のほとんどがすんで雪野を呼びにいった

奥から雪野の声がする

「まあお仕事終わられましたの?」「少しお酒でもおつきあいしてくださる?」「ええ」そういい終わると奥の棚からブランデーグラスを取り出した。

「ブランデーですか」「ずいぶん強いお酒ですね」

「良かったら日本酒とかもありますけど」「いえブランデーで結構ですよ」

男はブランデーグラスに入ったお酒を少しづつ飲みだした。

ほろ苦い味が舌にさえわたる
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