失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】

僕たちが紡ぐ歌





翌日ヤツからメールが来た

それにはこう書いてあった

『テンション回復するまで練習は

なし』

だから準備オーケーになったら

ヤツにメールして待つ

全員回復するまで…

いつもながら極端だ

でもヤツらしい

実際そうでもなきゃ練習しても

無駄かも

すでにテクニックではなく

もう気持ちの方がウェイトが高い

それはみんなわかってるから

先輩も後輩もこのメールで

気持ちが楽になっただろうか

それともみんなと一緒に

話し合いたかったろうか?





僕はすぐヤツに返信した

『リーダーらしい采配ありがとう。

僕は回復完了。みんなはどうしてる

かなぁ。なんか困ってることある?

みんなの幸運をイノル。

…んじゃ』

返信が来た

『早いなw オレは困ってなどいな

いぞ! まあ…ありがとう

では皆が揃うのを待て』





その1週間後

ヤツからの再メール配信が来た

僕たちは再び部室に結集した








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