俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

「せ、先輩下ろして!」


階段をどんどん降りていく。

このままじゃ…。


焦るあたしとは裏腹に、顔色一つ変えない先輩。


ああ……。

終わりだ…。


なんかもう、色々に終焉を見たあたしは、ついに諦めた。



「…………ほ?」


そこですぐに、異変に気付いた。

この方向は……あの教室だ。

そしてあっち側には、生徒はほとんどいない。

しかも今は授業中…。


「…およ?」


あ、もしかして、久しぶりに行くってそのこと!


なんだぁ~…。


ほっと安心して息を吐いた。


「あの、先輩。あのお部屋に行くんですよね? あたし逃げませんから、下ろしてください」


何で逃げると思ったのか、逆に不思議だ。



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