俺様狼と子猫少女の秘密の時間②
「杏子ー」
放課後帰り支度をして、今日はまだ部活がないという杏子のもとへ。
「あら? いいのこんなゆっくりしてて」
先輩のせっかちさを知っている杏子は、不思議そうに問う。
返事代わりに、携帯の画面を突き出してみせた。
「なになに…『先帰れ』……? ……ってこんだけ!?」
「え? うん」
首を傾けながら、携帯をしまう。
「メール……こんだけ?」
「そだよ」
え……なんかヘン?
「だって同じ内容にしてもさ、もうちょっと愛想よくかけないもんかしらね?」
「先輩だもん。普通だお」
「ま、まあ確かに…」
そこで納得してしまうんだからね。
先輩ってすごいよね。
「…だから一緒に帰ろーね!」
にこっと笑いかけ、腕をとって教室を出た。