俺様狼と子猫少女の秘密の時間②

むっと頬を膨らませ、さらに口を尖らせる。


「あーらら。可愛い顔ー」


「むうっ」


「もいいから早く、続き言いなさいな」


自分から話をそらしたくせに、まるで人のせいにし、しっしっとするように手を振って促す。

仕方なく諦め、再び口を開く。


「だからつまりね?」


ことのいきさつをすべて、事細かに説明した。



「……」


「……き、杏子?」


この固まってる顔は……呆れたりとかそういう顔じゃない。

驚きまくっている。

うん。もう。それはそれは…。


「ま、槙野が篠原先輩に喧嘩売ったあぁ!?」


「わっ…」


もううち中に響くんじゃないかってほどに。

どっから出てくるの!? ってほどに。

信じられないくらいの大声で、杏子は叫んだ。


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