─侵食─悪魔のような男

その頃ユウリは何度か通ったあの可愛らしい店に来ていた。



店主の"ひとみ"さんとは顔馴染みになり、色々よくしてくれる。



少し年上の彼女はユウリに好意を寄せていた。



いつもどこか寂しそうな表情をするユウリを、ひとみは放ってはおけなかった。



「ユウリちゃん…とうとうやったのね」



「はい…やっちゃいましたっ」



ふふっと笑いあう2人。



「さっ…のんびりしてる暇ないわっこれに着替えて」



いつもとは全く違うラフな格好に、キャップを深めにかぶる。



窓際にはユウリと似た背格好の女の子が座っていた。
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