─侵食─悪魔のような男

「あの人もあんな顔するんだ?」



「はっ…だなっ…あいつのせいだろ?出来ればもう離れないで貰いたいね」



くっと嫌みに笑った一也に、「そう?」と笑ってみせる咲。



「もう使われんのはごめんだぜ」



そう言って桜舞う青空を見上げた。



一也の横顔を見つめ、咲も同じように空を見上げた。



この先何があってもユウリの傍にいよう…



良き理解者、良き友として。



咲は「んー」と大きく伸びをすると、去りゆく大切な人に視線を向けた。
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