─侵食─悪魔のような男
遠ざかる高級車のテールランプを見つめ、咲はポツリとつぶやいた。
†††††††
走る車内、ぼんやりと窓の外を見ている
ユウリ…
沈黙に耐えきれず、劉兒はたまらず声をかけた。
「ユウリ?」
「んっ…何?」
ゆっくりと視線を合わせて、ふんわりと笑いかけるユウリに、少しほっとしていた。
何時も笑っていて欲しい…
「何か欲しいものはないかい?」
「…うーん…大体の物は買って貰ったし…あっそうだ…あのね…その…」