【企】携帯水没物語
そんなこと、考えたくない。




けど一度頭をよぎって
しまった考えは、もう
振り払おうとしても
忘れ去ることができない。





だって――そうだよ。

きっとそうだ。




そうでなきゃ見つからない
なんておかしいもん。





折原さんはハチ公前に
来るまでに、今日の約束は
ほごにされたと思って、
帰っちゃったんだ――…。





「サイアクだ………」





ずっと堪えてた涙が、
とうとう溢れ出して
視界をぼやかした。




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