契りの歌





しかも、それは決まって怪我をしている部分からで、じっと眺めていると傷がどんどんふさがっていっていた。




どんなに大きく深い傷でも、小さな傷でもだ。






その不思議な光景は、歌声が聞こえる間続いた。





──────










「──…どんな壁が立ちはだかろうと

その先に進むんだ


そうだろう?───」





はぁ、はあ、はぁ




誰にも邪魔されることなく、無事歌いきった。




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