契りの歌
「どうぞ。」
スッ
「花音さん早いですね。もう起きてたんですか。」
花音の部屋に起こしにきたのは、昨日の笑顔の人だった。
「おはようございます。昨日すぐに寝たんで、目が覚めたんです。」
「そうなんですか。
あっ、これ土方さんが、」
と言って渡してきた物は袴。
「平助のお古なんですけど、少し大きいかもしれませんが。
昨日着物は苦手みたいなこと言っていたんで。それに、男装していた方が安全ですし。」
あー、なるほど。
確かにそうかも。
「着方は大丈夫ですか?」
*