新時代神話
「幸大、連れて来たわ。」

常盤の横には黒い着物を着た男がいた。

「久しぶりだな、黒龍。

早速だが、俺らをこいつらの夢の中に連れてってくれ。」

「わかりました。」

「あれ?

風牙、浅黄は?」

「そこだ。

成宮が運んだ。」

「俺らとは並べたくない、か。」

「しかし、夢の中に行くとはどういうことだ?」

「悪魔の契約は、手順を踏むことで、誰にも解除されない契約だ。

神にも、な。

その場合、契約続行のできない状態にすることで解除は可能だ。」

「続行のできない状態?」

「この場合、眠りから覚めたら、だな。」

「普通は悪魔を倒せば終わるが、今回のは悪魔は補助的役割だ。

そう、例えば、悪魔に金を持ってこいと言い、契約した場合、

悪魔や契約主を殺せば続行は不可能。

契約解除だ。」

「つまり、今回は、皆を殺すか、眠りから覚めたら良いのか。」


「正解。

そして、こいつは俺達の意識を他人の夢に連れてってくれる。」


「簡単にはいきませんが、外からの刺激で目を覚ますことはありません。

この方法が最も安全で確実です。」

黒龍が説明をした。
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