新時代神話
「さて、俺達も行くぞ!」


「人間風情がなめるな!」


「敵を貫く断罪の証

十字架に奉られし者に安らかなる眠りを!


クロス・グレイヴ!」


叶の言葉と共にザキラが十字架に貼り付けられ十字架から現れた多数の槍で背中から貫かれた。


「これだけの魔法陣、いつのまに?」


「この空間にきた時からです。」

「この程度で死ぬわけがない!」

「そもそも、神である敵に攻撃は効くんですか?」


「神は神を殺せない。

人は神を殺せる。

神は人を殺せる。

人は人を殺せる。

神における死の法則だ。

かつて、俺がザキラを殺しかけた時と同じくな。

ただ、相手は神だ。


半端な力じゃ勝てねぇ!」


「全力で頑張らないとね。」

常盤が言う。



「神に与えられし炎

全てを焦がし、灰塵と帰す力

邪なるモノを焼き払う浄化の炎


不動明王滅炎咒!」

十字架に貼り付けられたザキラをさらに激しい炎が襲う。



「くだらん!」


十字架を破壊し、炎を打ち払い、槍を塵に変えた。



「傷が治りましたよ?

あの回復速度では勝てないのでは?」

叶が訊ねる。

「傷は治ってもダメージは蓄積されている。

見た目を取り繕ってもいずれ内部から崩れる。

だから奴の体内で蓄積されたダメージに回復の隙を与えるな!」
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