新時代神話
あれは何時だったかな?

覚えてないな。


常盤姫が亡くなって。

しばらくして、日本での仕事が終わり、神の居るべき場所に戻っていた。


そんなある日、ゼウスが俺に嬉しい知らせを持ってきた。


「常盤姫に逢わせてやろう。」

「本当か?」

「すぐには会えないが、一週間以内に逢わせよう。」


自然に笑みがこぼれるのが解った。


だが、基本的に死者に会えるのは、冥府の国か、生まれ変わりの姿。


「ハデスの所には行きたくねぇな。」




そして、俺は、常盤姫に会って、もし笑ったなら、美しいと言おうと考えていた。


こんなことを考えているなんて、他の奴には言えない。



そして、常盤姫が俺の元へ来た。

「何で?」

生まれ変わりでも幽霊でもない、目の前にいたのは、神様だった。

「久しぶりね?」

笑いかけてくれた。

「馬鹿。もっと早く来いよ。」


「女は待たせるモノって聞いたわ?」

「長いんだよ!」


抱きしめる。目から涙が出る。

今まで、何億という年月をかけても人に見せなかったのに、たった数年しか共に過ごさなかった、一人の小娘に、


「ごめんなさいね。」

背中を撫でてくれた。

「お前は相変わらず、その、えっと、なんだ、

美…しい…。」

「上手く聞こえないわ。」

常盤姫は確かに笑ってて、だから、わざとなのは知ってて、

「これからも長い付き合いなんだ、これくらい察しろ!」

照れ隠しをした。
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