新時代神話
龍神
刑務所


「おい、新入り!

貴様、何様のつもりだ?」

「…。この腕輪の数字が見えないのか?

囚人、804番だ。」

「なめてんのか?

何の能力者だか知らないが、能力使ってあの化け物専門の学校で大分暴れたらしいな?」


「…。」

「何とか言いやがれ!」

囚人の一人が殴り掛かる。


ガシッ、

「そこでやめとけ。」

「何だお前?どうやってここに!」


「よぉ、元気か?」

「貴様、幸大!」

「名前を覚えてたのか。」

「どうやって入った?

檻は鍵と能力者対策、さらには見張りまでいるはずだ。」


「お前が俺の力をコピーできなかったのと同じ理由さ。」


「何か用か?」

「お前にこれを渡したくてな。」
「何だ?これは?」

ビー玉を幸大が渡す。


「これを使えば、刑務所を出る事ができる。」


「悪いが、ここから出る気はない。」


「べつに、今すぐなんて言ってない。

一生使わなくても、今すぐ使っても文句は言わない。」



「…わかった。」

「じゃあな。」

「待て!」

「何だ?」

「お前の最期の一撃、あれを喰らってから、胸に穴が空いた気分だ。

なにもかもを失ったみたいにな。
あれは、何なんだ?」

「ただの攻撃だ。お前が失ったと感じるモノは、実は最初から持っていなかったんじゃないのか?」
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