kiss☆して? ダーリン☆
「ごめん、アタシ今試合中!」
そう言い、微笑んであっちに向かった。
「……そろそろ、なんじゃん?」
「…そうだな」
優輝に言われ、俺は立ち上がった。
確か、アイツの隣の席の男…だったような。
そいつと、楽しそうに話してるアイツ。
……ムカつく。
なんでかしんねぇけど。
苛々が募ってくる。
この瞬間だった。
男がアイツから放れた時に、アイツが頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「沙希?!!」
「沙希!!」
「沙希ちゃん!!?」
……やっぱり。
ざわつくギャラリー。
そして、アイツに近づこうとしてるあの男。
俺は早めに歩み寄った。
こんなに無理してまで。
こんなに傷つけてまで。
俺、何してたんだ?
俺が手を伸ばした時だった。
アイツが倒れて行く。
俺はアイツを抱きしめた。