A evil spirit~悪魔~
後ろにはまるで絵本に出てくるような、金髪の巻き毛に透き通った青い目…
イギリスの高級住宅街に住んでいそうな男の子が私の椅子の背もたれにもたれ掛かっていた。
「ああ、いきなりでびっくりした?青い目の子がきたんだぁ♪」
「ねえ…美月って子は最近引っ越ししてきたの?」
私はハッ、と我に返った。
誰とも知らない人に何聞いてんだろう…
でも彼は少し笑って答えてくれた。
「ああ、そうだね。でも最近って事はないかな…去年の今ぐらいじゃない?君の名前は?」
「菜月…」
私、この人に名前を言っていいのかな…
「あの、貴方の名前は…」
あれ…
周りを見渡してもさっきの子はいない…
「さっさと片付けしたほうがいいよ。」
先生にそう言われて、私はやっと現実に戻ったような気がした。