エクスタシー~極上のオトコ!?~
「おいで」


優しい声でそう言ったエクスタシーはクルッと向きを変え、ふたたび病室の方へ戻りはじめた。


引き戸になっている入り口を開け、私が入るのを待っている。


おそるおそる中に入った。


ホテルの一室のような広い個室。


窓の近くにベッドが一つあり、そこに女の人が眠っている。


「写真の人……」


ベッドの上のネームプレートに
『萩野翔子』
とマジックで書かれていた。


奥さんだ……。


起きたらどうしよう……。


自分のことを何と説明したらいいのかわからない。


私の動揺を感じ取ったように、エクスタシーが言った。


「こうやって、ずっと眠ってる。もう二年ちかく」



二年も……。





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