エクスタシー~極上のオトコ!?~
わけもなく怖くて全身が震える。


彼の顔を見上げることも出来なかった。


エクスタシーはかすれるような声で
「忘れたい。何もかも」
と言った。


「萩野さん……」


彼は私の体をギュッと抱きしめてから放した。


「ね、ねぇ……」


萩野さんのせいじゃないよ……。


私が慰めの言葉をかける前に彼は
「ひとりにしてくれ」
と、呟くように言った。


その顔は蒼白だった。


ひとりにしたら、何をするかわからない。


私は黙って首を振った。



今の萩野さんを一人になんて出来ないよ。

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