エクスタシー~極上のオトコ!?~
約束の時間ぴったりに、濃紺のスーツに身を包んだ藤山が現れた。


こうやって外で見ると、ちょっと小奇麗なオバサマだ。


けど、将来の姑かと思うと気持ちが重くなる。


「こんにちは」


緊張しながら頭を下げるアタシを見て、藤山は少し笑い、
「お寿司でも食べましょうか」
と、先に立って歩き始めた。


「ヒロト、あなたのこと、ずいぶん気に入ったみたいね」


人ごみの中をゆっくりと歩きながら、藤山が苦笑する。


「そ、そうですか?」


まさか、キスのことは言ってないよね?


アタシは内心ビクビクしていた。


「今までは御見合いさせても、パーティーに行かせても、まったく反応がなかったのに、いきなり『美穂さんと結婚前提でお付き合いしたい』なんて言うんですもの」


「は、はぁ……」





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