エクスタシー~極上のオトコ!?~
小さな丸い窓の中にクッキリとピンク色の線。


ええー?!


絶叫しそうになるのを辛うじて食い止めた。


アタシはナイトテーブルの上のタバコに手を伸ばし、自分自身を落ち着かせるためにメンソールを一本くわえた。


カチッカチッ。


なかなか火がつかない。


やっと、タバコの先端に炎が灯った。



ふ―――……。


横を向いて煙を吐き出し、大人の余裕ってものを見せつけてみる。


けど、内心は天と地がひっくり返ったぐらいの衝撃を受けていた。


「で? どうすんの? あんたたち、結婚すんの?」


「僕の子供じゃありません」


商社マンがおずおずと言った。


「あんた、ウチの妹、傷モノにしといてそれはないんじゃないの?」


いささか時代錯誤的なセリフだが、この場面にはピッタリだ。


アタシが商社マンに詰め寄ると理沙が
「ほんとなの。相手はノゾミさんじゃないの」
と、間に入った。



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