エクスタシー~極上のオトコ!?~
アタシと理沙の会話は平行線を辿った。


飽き飽きしてきた。


「とにかく、よく考えなさい」


「どんなに考えたって私の気持ちは変わらないから」


「あっそう。じゃあ、自分でママにそう言いなさい」


アタシがそう言って突き放すと、理沙は泣きそうな顔になった。


来月、ママが一時帰国する。


お腹の大きくなった理沙を見たら何というだろう。


ヒステリックに怒鳴るか、卒倒するか……。


いや。


理沙はもともと太っているから、黙っていれば気づかない可能性もあるが……。


キャビンアテンダントだったママ。


この職業がまだスチュワーデスと呼ばれ、とても狭き門だった時代の話だ。


社内には当時の写真も残っていて、今でも『伝説の第十七期』と語り継がれているほど美女揃いだった。


そんな百花繚乱のような写真の中にあっても、若かりし頃のママはダントツに美しかった。


その美貌のママは新人のころ、後輩イジメで有名なチーフパーサー女史を退職に追いやったという武勇伝を残している。


そう。


ママはアタシなど足元にも及ばない鋼鉄の女だ。


理沙は小さい頃からママを恐れていた。



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