エクスタシー~極上のオトコ!?~
ママはリビングに居る萩野を見ても、眉ひとつ動かさなかった。


「こちら、どなたかしら」


ニコリともしないで理沙に尋ねる。


理沙は唇まで青くなっていた。


「あ、あの。こ、こちらは萩野さんと言って……」


たったそれだけ言うのに、何度もセリフを噛んでいる。


ママの放つ空気に飲まれているのがわかった。


対照的に、萩野は平然としている。


「理沙さんと交際させてもらってます。萩野です」
と、いつになく爽やかに笑った。


コイツ、こんな芸当もできるのか……。


「わ、私たち、結婚するの」


理沙が半ば叫ぶように言った。


「え? 俺、そんなこと言ったっけ」


萩野が理沙を見る。


「し、しないの?」


理沙が泣きそうな顔になった。


「いや。別に、してもいいけど……」


萩野は首をひねっている。


空気が読めてるんだか読めてないんだか、ほんとに、よくわからない男だ。


理沙が慌ててフォローした。


「つ、つまり、パパとママが認めてくれれば、って話で……。わ、私たちの中ではもう気持ち、決まってて……」





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