エクスタシー~極上のオトコ!?~
「けど、どうして画廊なの?」


ママがあたしに一瞥を与える。


視線を向けられただけで、自分の脈が速くなるのがわかった。


アタシは出来るだけ落ち着いてウソを重ねた。


「アタシ、知り合いに画廊やってる人がいて、その人から新しいギャラリーを任されることになったんだけど、CAの仕事もあるし、一人じゃムリだから……」


理沙がママの目を盗んで、両手を合わせ、アタシを拝んだ。


もちろん、半分以上が口から出まかせ。


が、これは悪くないアイデアだ。


萩野がギャラリーに居たら、暇を持て余しているジャリマダムどもは食いつくに違いない。


ホストクラブよりは画廊の方が敷居が低いだろうし、ハイソなイメージも保てる。


クラブで高い酒を飲むように、萩野にすすめられれば無理してでも高価な絵を買うんじゃなかろうか。


いっそ、昼間はカフェ、夜はバーになるコーナーを併設したらどうだろう。


ギャラリーとカフェバーのコラボレーション。


そこに君臨する夜会服のアタシ……。


また、妄想が暴走し始めた。




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