僕らの初恋は淡く鈍い色で輝く

はじめての・・・

  「ねえ」
  「ぇ!?」

  声をかけられた

  ショートカットの女の子
  名前は…「井上奈央子」ちゃん
  …だっけ?

  「一人?」
   
  急に恥ずかしくなって、
  私はコクリとうなずいた
  どうしよう、
  せっかく話しかけてきてくれたのに

  「そこ、座ってもいい?」
 
  奈央子ちゃんは隣の席を指差した

  「ど…どうそ…」

  声が消えてしまいそうだ///
  ヤバイッ!

  「あなたって、友達作るの苦手?」
  「…!」

  えっと……え?

  「私も、苦手なんだ」

  奈央子ちゃんは私の手を取った
  そして、私の顔をのぞきこむ

  「あのね私、今年こそは…
   友達を作ろうと思ってたの
  
   私と、友達になってくれない??」


  えーーーーーーーーーー!?
 
  「…私も……」

  口が勝手に動く…
  本当の気持ちが口をついて出た

  「私も…友達がほしかったの…」
 
  いーーやーーー!!!

  初めて同級生とまともに話しちゃったぞ!?
  どうしよう、恥ずかしくて
  顔なんか上げられない…///

  とたん、奈央子ちゃんが
  ゆったりとした顔になった

  「ありがとう、
   ………初めての友達になってくれて///」

  …初めての友達
  その響がうれしくて、うれしくて…

  
  私は奈央子ちゃんの隣で
  涙を流した
   

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