“無”な彼。
次の日。
山内くんにどーやって渡そうか。
今気付いた私の悩み。
皆の前で?
いやいや、また大変なことに…。
呼び出して?
そこまでする必要…って言うか、その前に山内くん来てくれないよね。
あっ、でも漫画のことだったら。
んー…。
悩んで悩んで悩みまくっていると、いつの間にか学校に着いていた。
クラスに入ると、山内くんは既に座っている。
クラスの皆はたわいもない話をしている。
どうする、私!?
でも山内くんは、ちゃんと渡してくれたしなぁ…。
よし、決めた!
心で決意すると、勢いよく立ち上がり、山内くんの席に向かった。
「やっ…山内くん…!」
私が呼ぶと、そんな大きな声でもないのに皆がこちらを見た。
女子が山内くんに話しかけるのは、興味があるんだろう。
前に固まっていた友達もこちらをじっと見ている。
「………何」
一気に静まり返った教室に、低い声が響いた。
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