“無”な彼。



私はコンビニに向かっている。


あれから山内くんとは何もなく、数ヶ月。

クラスの皆も、もう聞いてくることはなくなった。



そして、今日。

山内くんに借りたことのある漫画が発売した。



コンビニにつくと、漫画が置いてあるところに行く。



「…あった!」


声が大きくかったのか、周りの人がこっちを向く。

興奮気味の私はそんなことにも気付かない。



ふふーん、最後の1冊だ。


それを持ってレジに行こうと振り向いた瞬間、


「うわっ!?」


反射的にバサリとその漫画を落としてしまった。






「や…やややっ山内くん…!」


山内くんは何食わぬ顔で漫画を拾うと、私に差し出す。



「あっ、ありがと…」


ま…まさかここで山内くんに会うとは…。


まだ心臓がバクバクいっている。


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