“無”な彼。



少し耳が赤い山内くんを見ると、なんだか嬉しくなって。



「はい!」


急いでレジへと向かった。



コンビニの外に出ると、山内くんが居た。



「おせぇー」


山内くんは一言言うと前を歩きだした。



「山内くんバイバイ!」


大きな声を出して山内くんに精一杯手を振る。



「は?」


すると、何故か彼は振り返る。


そのまま、ずかずかとこっちに歩いてくると、私の手を掴んでまた歩きだした。



「……送る。家どこ?」


そんな言葉も私には入ってこない。



わ、わ、私…!

山内くんと手、手つないでる!


顔に出さないつもりなのに、自然と頬が緩む、心が躍る。



「おい!聞いてるのかよ!」


山内くんの怒鳴る声がして、やっと我に返った。



「へ!?」


「家どこって」


はぁ、と溜息をついて山内くんは言った。


だいたい説明すると、2人で見慣れた道を歩く。






…………手を繋いだまま。


.
< 18 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop