“無”な彼。
少し耳が赤い山内くんを見ると、なんだか嬉しくなって。
「はい!」
急いでレジへと向かった。
コンビニの外に出ると、山内くんが居た。
「おせぇー」
山内くんは一言言うと前を歩きだした。
「山内くんバイバイ!」
大きな声を出して山内くんに精一杯手を振る。
「は?」
すると、何故か彼は振り返る。
そのまま、ずかずかとこっちに歩いてくると、私の手を掴んでまた歩きだした。
「……送る。家どこ?」
そんな言葉も私には入ってこない。
わ、わ、私…!
山内くんと手、手つないでる!
顔に出さないつもりなのに、自然と頬が緩む、心が躍る。
「おい!聞いてるのかよ!」
山内くんの怒鳴る声がして、やっと我に返った。
「へ!?」
「家どこって」
はぁ、と溜息をついて山内くんは言った。
だいたい説明すると、2人で見慣れた道を歩く。
…………手を繋いだまま。
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