【短】Mid night Venus。






「あは・・久しぶりに朝まで遊んだ」



さっきまでの騒ぎが嘘の様に、ネオン街に朝日が射す。




「今日は楽しかったー...また何処かで会えたら良いわね」


俺の腕に絡み付くVenusは、少し眠たそうに笑う。



「次は、もっともっと素敵な夜を過ごそう」


俺の口説き文句も慣れたらしい。


「ふふ...楽しみにしてる。・・じゃあ、アタシもう行くわ。またねどっかの誰かさん」



腕が解け、Venusは駅の方向へコツコツヒールを鳴らし歩いていく。




角を曲がるまで俺はその華奢な後姿を見つめてた。




何故だか泣きそうになったから




俺も、反対の方向へ歩き出した。
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